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2010年8月18日水曜日

DG12 PSP スクエニ「タクティクスオウガ 運命の輪」 皆川氏インタビュー

◆概要

・ファミ通で新規に紹介されたキャラも紹介されている(プロフィールは詳細ではない)
・運命の輪システムについても軽く触れられている
・ファミ通の方と重複しているので省略


◆ディレクター:皆川裕史氏インタビュー

・(役割について)肩書きとしてはディレクターだが、やっている内容としては元のタクティクスオウガを作っていた当時とあまり変わっていない。松野さんがゲームデザインをして、吉田がイラストを描いて、それをゲーム画面化するためのベース作りを担当しています。その他開発スタッフの編成も
・(開発が始まったのは)2007年頃、PSP版FFT獅子戦争が発売された後の事。ゲーム開発から離れた部署にいたので、そろそろゲームが作りたいと思った。その時にTOはどうか?という話が出たので、それならオリジナルのメンバーを集めてやりたいなと。調整もあったので本格的に開発がスタートしたのはそれより少し後の事
・PSPを選んだのは箱庭のような戦場画面を持つ本作なら携帯機で、PSPなら広く見渡せる為
・単なるリメイクではなく、ファンにとって最良の形として「再構築」という形に落ち着いた。新規の方にも、過去からのファンにも楽しんで欲しいという方向性を考えて
・(バランス調整は?)悩んだが、そのまま追体験をするだけでは元のTOをプレイした人に新鮮味が無いので、見た目や雰囲気は変えないままにゲームデザインを変える設計にした。リメイク前から変えて欲しくない部分というのは良かった部分、それも美化された部分があると思うが、それを壊さないようにと思っている。グラフィックもその為に3Dながら2Dっぽく見えるようにした
・ゲーム性については今の事態に適った新しい面白さを盛り込む事を優先している、以前と同じままなら以前の物を遊べば良いので、「再構成」にあたっては移植や完全版とは違う物を目指した

・(それはSFCの時にやりたくても出来なかった事?)そうではなく今の時代に合わせて考え直した物で、SFC版ではやりたい事は大凡やりきっていた。時間と容量がもっとあれば他にもやっていたとは思いますがw
・SFC版ではグラフィッカーだったので、演出の見せ方に拘っていた。伝説のオウガバトルではいかに外連味を持たせて派手に出来るかだったが、TOではジオラマ感を出したかった。松野さんからはバトルとイベントの区別が無いシームレス感を出して欲しいとの注文もあった。ちなみに当時の企画書はちゃんと保管してあるが、書いてある内容が凄い密度なんですwスタッフ一丸となって色々な事を実験しようとしていた
- 松野さんというのは原文ママ。社外の人だからですね。
・(当時の熱意は)SLGというジャンルの面白さを多くの人に知って貰いたかったので。チュートリアルやヘルプを詳細にしたのもその為。PSP版では一般的な内容は整理して多すぎないように調整した。世界設定的なテキストを逆に増やしている
・数値的な情報を視覚化しているのはハードの進化に伴って。行動順が一目で分かるようになったり、常時画面に出るようになったり。分かりやすく見せたり手順を簡略化したりしてプレイしやすくしている
・(作業量が多いが大変ではないか)大変ではあるが見せたがりな所もあり、それがモチベーションの基本ともなっている。開発スタッフが面白いと思った物をユーザーも面白いと言ってくれたら嬉しい、というのは開発チーム全般にも言える
・どこまで作り込むか、というスケジュールの線引きも難しいが。当時は松野さんから締め切りを突かれていたが、今は自分がディレクターとしてスケジュールを管理する側に回ったので不思議な気分
・ドット絵を作り込むのは時間をかけた分だけ反映されやすいので楽しかった
・ハードスペックが向上したPSP版では、逆に当時の雰囲気を壊さないよう、やり過ぎないように気を付けた。グラフィックは全部ポリゴンだが、意気込みとしては「究極のドットゲームを作る!」と思いドットの味わいを残している。上から見下ろした場合のマップとキャラの表示を悩んだりもしたが、それでも当時の雰囲気を再現したかった。
・思い出は美化されている物なので、そのまま再現するとチープな感じになってしまう。それを含めた、美化された「昔のまま」を再現するのに拘り、フォントも新しくした。当時のフォントは僕(皆川氏)が作った物だが、解像度が低いのでそのまま移植したのでは可読性も低くなるので。今回はやってみたかった、小説のような書体が使えるように。フォントマニアなのでフォント選びは楽しかった。かなり新しいフォントで、ゲームで使われるのは恐らく今回が初。
・遊びやすさには拘りがあり、演出が長すぎるとそれで敬遠されてしまうのでテンポを重視した。800種類以上のエフェクトは八割をメモリに読み込んでおけるので、バトル中にはほぼロードが入らない。体感的にはゼロと言って良いぐらい。バトルに入る時の読み込みも数秒で、メディアインストールを使うと更に早くなる。エフェクト担当のスタッフが頑張ってくれたおかげ

・遊び方は時代の影響が強くなっているので大きく変更されており、15年前の攻略方法は殆ど通用しない。たとえばトレーニングモードが無くなっていたり
・ユニットのレベル差を埋める為の経験値稼ぎは作業的になりがちなので見直している。違う形で育成をサポートする要素あり
・当時の攻略法は松野さんが狙っていた部分が基本ではあるが、今回はまた別のアプローチでデザインしている。詳細はまだ明かせないが、自分の軍団を長期スパンで鍛えたりクラス毎の特徴を活かしてバトルに挑むといった部分。ユニット数も増えているので、15年前のオリジナルよりも役割分担が重要になってくる
・以前の感覚でプレイすると逆に酷い事になるかも。クラスも以前とは役割が変わっていて、戦略的な組み立てが幅広く出来るようになっている
・新基本クラスとしてウォリアーやウィザードを用意したが、基本と上級という分け方ではなく一長一短ある
・ローグはスティールでアイテムを盗めるだけでなく、トラップは両刃の剣ともなり得るが、場面によっては絶大な効果を発揮する事もある
・かなり気軽にクラスチェンジできるバランスで、特殊な状況下であればあるクラスを一時的に増やして対応する事も可能に。ユニット育成やカスタマイズは非常に幅広くなっている
・モンスターは松野さん曰く「今回は強いよ!」との事。Lサイズユニットという区別が無くなって使いやすくなった。モンスターだけでもクリアできるぐらい
・オクトパスがお気に入りなのでたこ焼きにならない事を願っている

・運命の輪システムは遊びやすさを考えての事。戦闘を巻き戻せるChariotについては一手間違えて負けてしまうような場合でも気軽にやり直せるように。携帯機なので手軽さも得られるようにした
・試行錯誤的な楽しみ、と言う物も考えている。ちなみに命中率25%と表示されている場合、当たらなかったからと巻き戻した場合は絶対に当たらない
・一回の攻撃が当たる当たらないではなく、戦略を立て直す為の機能なので、コアユーザーには理詰めで、初心者には気軽にやり直し感覚で使って欲しい
・運命の輪は使用しても具体的なリスクやペナルティは無い、例えば特定のキャラが仲間にならなくなると言った要素は無い。使用せずに勝利した回数だけはウォーレンレポートに記録されるが
・シナリオを巻き戻せるWorldシステムについては、特定のアイテムを消費するだけで特にデメリットはないので安心して使って欲しい
・この機能で長期的に「自分の軍団」を育成する楽しみを追求しても貰えるようにと思った
・それを活かせるようにバトルのバランスを調整している
・World機能が介在する特別なシナリオも松野さんに用意して貰った
・表だって大筋に影響を与える物では無いが、サポート用だけというシステムでもない
・シナリオはオリジナル版はそのままに、肉付けを増やしている。会話やバトル時の掛け合いも追加している他、オリジナル版のボスの通り名についても補完している
・例えば無念の~という人がいたら何が無念だったのか、台詞やウォーレンレポートで分かるようにエピソードを追加している
・ラヴィニスを始めとした新キャラクターのエピソードも多いし、後半には色々仕掛けがある
- ラヴィニス以外にも新キャラが出るみたい?

・(読者へのメッセージ)SLGは怖くないですよ、と声を大にして言いたい。この機会に手を取って貰えれば、SLGならではの世界、面白さを体験して貰えると思う
・(往年のファンの方へは)雰囲気はそのままに新体験が出来るゲームなのでお楽しみに。現在は松野さんがバトル部分のデータ作成に奮闘していますが、その味を楽しんで頂けたらと。他では味わえない旨味、世界を目指して最後の追い込み中です
・SLGは数値を少し変えるだけでも大きく変わる、完璧とか正解は無い物ではあるが、それだけに熟考して作っているのでお楽しみにお待ち下さい

 大体網羅はしてますが、分量が多いので細かくは雑誌を読んで下さい。






電撃ゲームス Vol.12 2010年 10月号 [雑誌]

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