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2011年1月27日木曜日

GM2011/3 ルーンファクトリー*アトリエクリエイター対談

 対談に先立ってPSPのヴィオラートのアトリエとPS3/Wiiのルーンファクトリー オーシャンズが2ページずつ紹介。ヴィオラートの1ページ分は金元さんの写真。


 ◆対談
 ルーンファクトリー オーシャンズでは原作とプロデューサーを手がけるはしもとよしふみ氏と、ロロナ/トトリのアトリエのディレクターである岡村佳人氏の対談。全文ではないです。

(対談の経緯)
は・最初の提案は弊社から。ちょうどオーシャンズのプロモーションプランを考えていた時期がトトリのアトリエが発売されている時で、世の中的には「よりリアルに」という時期だったが、トトリのアトリエはアニメタッチに特化していて、更にそれがPS3ということもあり素晴らしいと思っていた

岡・そう言われると恐縮してしまう。実はロロナもトトリも開発時にはルーンファクトリーシリーズを意識した部分もある

岡・ルーンファクトリーは一作目を発売日に買って遊んだが、最初の印象がとても良かった事を覚えている。ゲームとしても生活感や雰囲気がアトリエシリーズと近かったと思う。しかも牧場物語からもユーザーを引っ張ってきながら新規ユーザーを開拓している。ロロナで初めてディレクターになったが、ルーンファクトリーのように第一印象が良く、かつ中見も伴ったタイトルを目指そうと思った



(作品の印象)
岡・はしもとさんがプロデュースするタイトルはルンファク以外にもアヴァロンコードや朧村正と、第一印象が良いというか目を引く部分が多いと思う。自分で企画を?

は・開発会社によりけり、ルンファクシリーズはキャラと世界観はこうで声優はこの人に、という事を自分で決めている。ヴァニラウェアさんのタイトルではもう少し分かりやすくとか、指示をしながらエッセンスはそのままにと考えている

岡・どのタイトルも凄く雰囲気が出ている。ロロナを出す前はそのような所を目指せたら良いと思っていた

は・アトリエシリーズは凄く歴史が長い。初めの頃はた~ると言っているだけで楽しいが、続けていくと厳しい部分も出てくる。でもPS3に移ってイラストもがらりと変えて結果を出した。以前のシリーズは良い意味でここまではじけていなかったと思う。ハード切り替えタイミングが勝負で、それに勝ったのは素晴らしいと思う

岡・シリーズを重ねていく毎にユーザーからの要望などをうまく解消するのがだれない一つの鍵。ルンファクシリーズを最近プレイし直したが、一作目から丁寧に作られているだけでなく、作品を重ねる毎にユーザーの要望を上手に取り入れている

は・ずっと同じ作品が続くと、例えば牧場物語シリーズでも、自分がお金を何千円と出して買うならほぼ同じ内容の作品は嫌だと思う。欲しいと思ってもらう為には、ナンバリングが違うならその分にプラスアルファの変更をしないと、そうしないとユーザーの期待を裏切る事になってしまうと思う

岡・ユーザーが望む変えてはいけない部分はあると思うが、それを満たした上でさらにユーザーが考える物を超えていかないといけない。アトリエをPS2で展開していた頃はルーンファクトリーシリーズがDSで10万本以上を売り上げていたので、自分の所に何が足りないのかを勉強させてもらった

は・逆にマーベラスはこのタイミングでPS3でオーシャンズを発売するので、トトリのアトリエの展開を参考にさせてもらったというのはある



(ハード転換について)
岡・ガストの場合はPS2の末期にアトリエシリーズの売り上げが尻すぼみになってしまい、会社に閉塞感が漂っていた。そこにハードの転換期が重なったので何とかシリーズを軌道に乗せないといけないと必死だった。なのでPS3に移行する時は凄く慎重だったが、あえて初心に返って作り直したという感じ

は・調合も丁寧で一作目を思い出す

岡・最初のコンセプトが原点回帰だったので

岡・PS2後期のアトリエは、従来のシリーズが凄く特殊なゲームだったので社内でもRPGを作りたいという声が大きくなり、それに答えたのがイリス、マナケミアシリーズだった。RPGはどうしてもボリュームが必要になり、基本的に一年に一本という形でメインタイトルを開発しているが、その期間に対して中身が大きくなりすぎてしまって最後の作り込みも甘くなってしまう

は・確かに凄いボリュームだった

岡・ダブルシナリオや音声も一万ワード超だったりで、このままPS3になると開発費が上がりすぎるのではという危機感があった。そこで、今の形に戻る事にした

は・トトリをプレイした時は前作を知らなくても問題なく遊べた。でもやっている事は近所から材料を回収して、遠くには行かなくていいかとw

岡・わかりますwルンファクではずっと畑を耕している。女の子と仲良くなったり出来るのは知っているが、それよりは畑を耕してカブを増やして、冷蔵庫にどんどん貯まっていく感じが好き。自分で気に入った遊び方が出来るのは凄く良い事だと思う



岡・オーシャンズはマルチプラットホームだが、苦労した点は?

は・マルチだと仕様が引っ張り合ってとは聞くが今作はそういう事はなかった。プロモーションでは、Wiiユーザーにはどう変わったかが求められる一方、PS3では初なので情報をどう伝えるか

岡・広報的な苦労が大きい?

は・そうなる。ゲームではMove対応でちょっと山があったが、Moveとリモコンどちらでプレイしても違和感が出ない操作になっている

岡・確かに操作感やレスポンスが大事なゲームだと思う。作業ゲーははまると止め所が分からないというかずっと同じ作業を積み重ねるので、操作の爽快さが無いとストレスが半端ではない。その辺を大事にしているのですね

は・そこは私自身がゲーム好きなので

岡・そうですね、開発畑だとそういう所から考える



岡・プロデュースするゲームが多いが元々は開発ですか?

は・開発です。他社で格闘ゲームなどに関わっていたが、RPGなどの設定を考えるのが好きだったので、それを膨らませる為の話をちゃんと書きたかった。今はルーンファクトリーで原作も担当している。とはいえテキスト量が多くなった今はこういう性格で、といった指示だけの場合もある

岡・3で話題になった株好きの女の子の設定もはしもと氏が考えた?

は・あれは最初はそんな設定ではなかったwいつの間にか入っていたが、面白くなる時はそんな物。色んなデザイナーさんや声優さんがどこにいってもカブカブ言ってくれたりしたのが強かった。そういう岡村さんは何をしていたのですか?

岡・普通に下っ端だったw単純にゲーム好きなので、ゲームの仕事に就こうと思って地元の長野にあるゲーム会社に入り込むのを目標にしていた。学生以降はUO,EQの世界に旅立った事もあったがw偶然ガストがバイトを募集していて、それに採用されたのが切っ掛け

は・UOはある種の生活ですね

岡・裸で追いかけてくる人や行商をしている人もいた。そういうタイトルをプレイして生活感があるタイトルが好きになったんだと思う。今にして考えるとあの経験は役に立った気がする。その後企画の仕事を大量にこなした経験で打たれ強くなったと思う。仕事を任されるようになり最初にやったのが大正もののけ異聞録、その後ヴィオラートのアトリエでバランスやデータ設定、イベントなどで、イリスのアトリエとアルトネリコ、マナケミアなどの企画のメインを担うようになった。まだ9年目だが、こんなに長く一つの会社にいるとは思わなかった

は・ぜひアトリエシリーズは今後も続けていってほしい。どちらのシリーズも、続編の良い悪いは別にして、最後は白ヒゲ生やして若い者には負けんぞとそんな感じで最後まで仕事が出来ればいいと

岡・それは確かにその通りw先ほど少し言ったが、ユーザーが変わらず求めている物があると思う。ある意味では安心感だったりする、そういう部分を提供するのもゲームの一つの役割だと思う。変えるのであれば変えた分とことん楽しんでもらう物を作らないといけないとも思うし、逆に変わらない面白さを提供し続けるのも一つだと思う。そういう意味でガストとして、アトリエシリーズでは変わらない面白さを提供していき、空いた期間や別のタイミングで新機軸を打ち出していく事が出来れば理想的だと思う



(こだわる部分は?)
は・凄く感じるがアトリエシリーズには愛がある。単語の言い回しやウィンドウ表示一つにも愛が感じられる

岡・知らず知らずノウハウがたまっているようで、アトリエはこうしなきゃいけないというのがある

は・依頼ウィンドウはずっと同じだった物が変わったが

岡・あそこはフォーマット化されていた部分なのでイメージを変えた。新しいアトリエならこうなると。シナリオでもアイテムやモンスターという単語は絶対に使わない、素材を採りに行くなど細かい所もイメージ統一に繋がっているかなと。なのでアトリエシリーズが持つ空気感にこだわっていると思う。昔のアトリエは少しバタ臭いというか牧歌的な雰囲気がある。それはそれで良かったが、今の時代からは少し外れてしまう。そこを変えたかったのがあって、ビジュアル面も含めてPS3のアトリエシリーズは大きく雰囲気を変えていこうと提案し凄くこだわった

は・スカートも短くなりましたねw

岡・そうですねw今の時代なら、マニアなユーザーへのアピールも必要だが、岸田メルさんのイラストであれば露骨に感じられないという部分もあり、これなら全てのユーザーに受け入れてもらえるかなと思い今の形になっている。橋本さんはどこにこだわっていますか?

は・コンシューマゲームは高いお金を払ってソフトを買ってもらうので、ユーザーがこの世界に入る時に邪魔になる物、しょせんゲームですという要素を一切排除し、出した金額以上に楽しんでもらう事を意識している

岡・買った人に納得してもらえるだけのサービスを提供したい。そういう意味ではお互いにコンスタントにソフトを出せる事は凄く幸せな事かと

は・幸せですよw2006年の頃はタイトルが多くてやり過ぎな部分もあったが、今くらいの状況であれば発表後にユーザーから意見をもらいやすいし。そういえばトトリは発売前のブログのアップデートが凄かったが

岡・開発と広報はどうしても考え方が違うので、自分でディレクションする時はお互いに納得いく形で良い物にしようと協力し合うようになった。その結果が良い方向に動いたという感じ。その分仕事も増えたが、こういう展開でユーザーが反応を返してくれたらやはり楽しい

は・うちもブログを毎週更新している。勘弁して、という本音は言えないがw完成直前になるとデバッグもしないといけないのにブログも書かねばならず、どんどん時間が無くなる

岡・ユーザーの興味を惹く事を考えているとあっという間に時間が経っていく。が、お陰で様々な所から注目してもらえて本当に良かった。余談だが、ロロナでバグを出してしまいサポートに沢山メールが届いた。が、反省やけじめとして全部のメール返信を書いた。書いていて涙が出てきたがwしかしそういう事をする事で自分たちのやってしまった事の大きさが分かり、ユーザーもすごく真剣にゲームをプレイしている事が分かったのでやって良かった

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岡・ガストの最新作はPSPで発売されるヴィオラートのアトリエ。自身で初めてアトリエに関わったタイトルという事で感慨深いが、PSP版という事で新しくそれに合わせてユーザビリティを再構築しているので是非一度遊んでもらえると嬉しい。もちろん次のタイトルに向けても動き出しているので、こちらも期待して待っていて欲しい

は・ルーンファクトリー オーシャンズがPS3とWiiで発売されます。ナンバリングではないのでシステムや巨人、女の子主人公も遊べる等の、100時間以上遊べるやり込み要素などチャレンジした部分が数多く、かなり中身を詰め込んで作った。ヴィオラートのアトリエと一緒に買っていただければこれ幸いという感じw



(コラボの可能性は?)
は・良いですね、是非作りましょう。例えばうちが一緒にやろうと提案したらどうでしょうか?

岡・是非お願いします

は・本当ですか、ではやりましょうw

岡・ルーンファクトリーも生産系ゲームで凄く面白いし、うちのゲームも生産など色々作るゲームだし。方向性は違うが

は・逆にそれが融合すると面白い事になるかと。が、自分は少し譲れない部分が多くてリテイクも多い

岡・その辺りは上手くやっていける所はあると思う。僕自身はリテイクを受けるのは気にならないので大丈夫

は・ハードは何が良いですか?

岡・PS3かPSPですかね?今の開発体制の中で丁度良い具合に入れられるプランがあれば…

は・やりましょうか、企画書を来月ぐらいにまとめて会社にプレゼンしますw

岡・なかなか企画を出せる人間がいなかったので良いかもしれない

は・企画書の交換も楽しいと思う。これも何かの縁で。お互いのキャラを出すくらいならすぐ出来るが、キャラだけではなく世界観がきちんと融合する何かをコラボレーションしてみたい

岡・もうどこまで突き詰めるかという話になりそうですね

は・じゃあやりましょう、決定で。…勝手に決定して良いのかな?

岡・最後は凄い話でまとまりましたね

は・これが対談の醍醐味ですw



・ ルーンファクトリーオーシャンズを岡村氏がプレイし、はしもと氏が岡村氏がディレクターを務める最新作(未発表)の映像を視聴したという記事あり
 岡村氏の新作映像を見たはしもと氏、「これは凄いですね、凄く進化しています」とコメントしたとの事。




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